ペルオキソチタン技術を活用した
エコートの技術
ペルオキソチタン技術を発明した一ノ瀬教授に
その技術の強みを語ってもらいました。
Feature 01
ペルオキソチタン系
コーティング剤の
特性概要
ペルオキソチタン系コーティング剤は、中性ペルオキソチタン錯体とその誘導体である特異な結晶性酸化チタン超微粒子ゾル(ペルオキソ改質アナタースゾル)を基本組成としています。有機物やバインダーを含まず、中性~弱塩基性の安全な水系光触媒塗布剤で、常温で高透明・高密着の薄膜を形成可能です。また、光照射や加熱により緻密な薄膜に変化し、高い硬度を発揮する特性があります。

Feature 02
ペルオキソチタン系
コーティング剤の
強み
完全無機の数少ない
薄膜材料として
ペルオキソチタン系コーティング剤は、常温乾燥だけでも高密着性・高透明性の光触媒薄膜を簡単に施工する事が出来る為、これまで国内外で多くの施工実績があります。
ペルオキソチタン自体が乾燥~低温加熱で高密着性、高透明性、高密度の薄膜を安価に形成することができる完全無機コーティング剤であるが、完全無機でこのような材料はほとんどない、という強みがあります。
また、約200℃以上で理論密度の100%に近い酸化チタン薄膜ができるため、イオン拡散をも遮断する用途にも対応できる能力があります。
図のように大規模太陽光発電におけるフロントガラスにペルオキソチタンを200℃でコーティングするとPID現象(高電圧のためにフロントガラスからイオンが拡散して発電を大きく阻害する現象)を防ぐことが確認されています。(別技術があり未実用)
この可視光に透明なイオン拡散防止機能を利用すれば、金属腐食防止あるいは電子材料封止剤などとしても活用が可能です。

ペルオキソチタン膜による
イオン拡散防止


Si太陽電池のPID
(Potential-Induced Degradation)問題




光触媒技術の多様な応用
光触媒として、業界トップクラスの 高活性コーティング剤
ペルオキソ改質アナタースゾルは(101)結晶面を広く露出した特異な形状で、(101)面は光照射による電荷分離で生じた電子とホールの再結合確率が最も低いため、光触媒活性が高いです。
また、高活性の光触媒酸化チタン粉末とペルオキソチタンを複合化させた塗料を作ることもできます。
適量の配合を行うと非常に高活性な光触媒膜を簡便に作ることができます。
この塗布剤は空気清浄機等の光触媒として非常に有用です。
単純な構造の光触媒リアクターへ用いると高い空気清浄効果が得られるのです。
これも完全無機ペルオキソチタンの高いバインダー性能によるものです。
高効率ガス分解リアクター
-
リアクター(光触媒フォーム内蔵)
-
光触媒フォーム
ペルオキソチタン塗料
ペルオキソチタン塗料中の
TiO2含有量と加熱処理の効果
光触媒作用ではない酸化作用
酸化チタン(アナタース)の光触媒性能が発現するには388nm以下の紫外線が照射されなければいけません。しかし最近、ペルオキソチタンが紫外光だけでなく可視光、<900nmの近赤外光、さらには数十℃の加熱によって酸化作用が発現することが判明し、学術的にも発表しました。実用面での比較として、室内で多用されている白色LED照明の下での光触媒活性は、他社の可視光タイプ光触媒の10倍以上の性能を持っていることが判明しています。この効果はペルオキソチタン内部にあるペルオキソ基によるもので有効期間は限定されますが、膜厚から予測される寿命は数週間から数か月以上であり、また、低温の加温でも同じ効果が得られるので、一般的な光触媒はカバーできない食品流通、暗所、各種日用品等の抗菌抗ウイルス、ガス分解等々への利用が期待されています。

- 可視光全域から近赤外900nm光まで
光酸化作用を発見(2023発表)
- ペルオキソチタンの
可視光による酸化分解力
市販の可視光応答型光触媒よりも
10倍以上!

光触媒以外への新しい応用へ
高濃度Cu含有
ペルオキソチタンコーティング剤
ペルオキソチタン系コーティング剤の完全無機性、高密着性、高透明性、高安全性を併せ持つ無機コーティング剤はほとんどありません。この性能を利用して他の成分を複合させた新しいコーティング剤を開発しています。図に示すように、抗菌抗ウイルス性がある銅(Cu)を微量添加した光触媒コーティング薄膜は、細菌ウイルスの不活化に大きな効果があり、感染症予防コーティングとして広く利用されています。
さらに、銅濃度を数十倍以上にしたコーティング剤の合成も可能であり、金属銅の業界で提唱されている環境浄化をあらゆる場所へ低塗布量で簡便に施工できます。このコーティング剤は、抗カビ効果も十分に期待されます。また、適用商品として衣類、パッケージ、流通などの暗所での抗菌抗ウイルス性付与を簡便に少量塗布で行うことも可能です。
(なお、銀も高い抗菌抗ウイルス効果があり多用されていますが、銀は濃度を上げると着色するため実用的ではありません。)
高濃度Cu含有ペルオキソチタンコーティング剤
- 暗所でも・・・
高い抗菌、抗ウイルス性、抗カビ性
安全で簡便に利用できる

金属銅の業界が提唱している環境浄化効果を
あらゆる商品、素材へ簡便に付与できる新コーティング剤
- 高透明性、高密着性、人体安全性を利用した用途
- ・各種商品パッケージ・衣料品・流通基材・運搬車
さらに今後、さまざまな
ハイブリッドタイプが登場
光触媒+αあるいは他社が
追従し難い分野へ!
また、銅を含有させ極微量の金属イオンを徐放させ環境浄化を行うことと同じように、さまざまな物質を添加含有させた透明密着薄膜を提供するコーティング剤の製造も可能です。例えば、鮮度保持剤、デオドラント剤、防カビ剤、添付式医薬品、農業等薬剤、等々が考えられ、その他にもさまざまなアイデアを出すことができるでしょう。
さらに、酸化チタンは現在注目の電子材料(半導体、コンデンサー、電極・・・)に多用されています。さまざまな材料との複合をペルオキソチタンというこれまでにない原料を用いることにより高性能で軽薄短小な次世代材料の生産に利用できる可能性も高いのです。この分野のチタンの使用量は桁違いに大きいため今後の研究やメーカーへの周知理解を急がなければなりません。
その他、新規の水処理剤、ガス分離膜等、まだまだ利用分野が広がることが大いに期待されます。
光触媒から新たな実用分野へ
- これまでの実用化光触媒として
- ① セルフクリーニング ② 抗菌 ③ 大気水質浄化 ④ 脱臭・・・ ⑤ 防曇
- さらに、他社品と
差別化できる分野へ・・・? -
- ① 可視光~暗所抗菌抗ウィルス
(衣料、パッケージ、流通など) - ② 可視光~暗所鮮度保持
(パッケージ、流通など) - ③ 徐放性膜 <高密着性、高透明性、安全性を利用>
(防カビ、デオドラント剤、徐放医薬品、徐放薬剤) - ④ 電子材料原料
(封止剤、Ti系半導体、透明導電性膜等) - ⑤ ガス分離膜(燃料電池周辺技術)
- ⑥ 水処理添加剤
(懸濁物、不純物イオン、細菌の除去) - ⑦ 有機合成固体酸化剤
- ① 可視光~暗所抗菌抗ウィルス
私とエコート様の経緯
1991年の国際会議で、環境浄化への光触媒技術の利用について日本の東京大学から提案され、その後、T社製品の表面に光触媒である酸化チタン微粒子を焼き付けた製品が上市されました。しかし、環境浄化をあらゆる場所で行うには、乾燥だけで高密着性、高透明性、高活性、塗布剤がpH中性で無害、安価、などの条件を満たす塗布剤は当時ありませんでした。
その問題を可決すべく、1995年、私は佐賀県の研究機関でペルオキソチタン系コーティング剤を発明し、いくつかの企業へ技術移転を行ってきました。その中でもいち早く製品化を推進していただきましたのが㈱佐電工様です。その後、㈱エコートという社名で別会社が設立され、ペルオキソチタン系コーティング剤の専門メーカーとして今日に至っておられます。
㈱エコート様は当時から高品質の製品にこだわり、また、新しい製品づくりや新用途開発にも真摯に取り組んでおられ、私も開業から今日までの長い期間にわたり微力ながら協力させていただいております。
